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英語で書くのは、誰のため?

  • Kaz Hattori
  • 2021年4月16日
  • 読了時間: 3分

日本のニュースサイトで読める英語版の記事の多くは、英語ネイティブのスタッフが書いているわけではなく、ましてやライティングのプロが書いているわけでもない、と言うと、日本人の英語学習者にとってはちょっとした衝撃かも知れません。


弊社のネイティブのスタッフはイギリス・アメリカそれぞれの出身で、言葉遣いに敏感なプロのライターたちですが、彼らがNHKのニュースサイト「NHK WORLD-JAPAN」の記事を読んだところ、まったく意味のわからない不自然な英文だらけだ、と呆れた様子で指摘していました。また、英語のネイティブから見ると、ネイティブ以外の使う英語のクセやよくある間違いは意外とはっきり分かるようなのですが、NHKのニュースサイトでも、日本人が英語を使う時によくある間違いが目立つことから、日本人ライターが書いたのではないか、とも推測しています。(そもそもこの「NHK WORLD-JAPAN」の名称も、英語の感覚では不自然とのことです。)


そもそも、記事を英語で書くのは、日本語を読めない外国人に読ませることが目的であるはずです。ところが、NHKに限らず、多くの日本のサイトにある英語版の記事は、英語表現の使い方を間違えていたり、意味不明で筋の通らない文章ばかり目立ち、外国人にとっては情報を得ることすらままなりません。


日本人と違って、英語を当たり前のように使いこなすネイティブに向けて発信する記事を、なぜ日本人が拙い英語で書く必要があるのでしょうか。


日本のニュースを読むのは、日本人だけではありません。そして英語の記事は、英語圏だけではなく、ヨーロッパや中東、アジア、アフリカなど、世界中にいる「英語を母国語としない人」や「英語がそれほど上手ではない人」も読むものです。それだけに、わかりやすく、きちんとした文章を書き、誤解のないようにニュースを伝えるための努力が求められます。英語で書きさえすればそれで良い、で済まされるべきことではありません。


ここではあえて実名で指摘していますが、日本を代表する報道機関でもあるNHKですら、ネイティブに通じる英語を使いこなせないどころか、こういう重要な点を見過ごしているのです。国の代表としてはあまりにお粗末で、無責任ではないでしょうか。最低でも、ネイティブのプロのライターに記事を書かせることぐらい、考慮してしかるべきです。


少なくとも、日本人で英語を学んでいる方は、「NHK WORLD-JAPAN」のような程度の低い英文をネイティブが書いたものだと思い込んで、ムダな時間を過ごすことだけは避けなければなりません。勉強のために、身近に感じられる日本のニュースを英語で読んでいる、という方も、まずやめた方が賢明です。


英語を学ぶためには、ネイティブが書いた文章を読むことがどうしても必要ですが、弊社スタッフがおすすめするニュースサイトは、CNNとBBC。

CNNの文章は比較的やさしく書かれており、BBCではいわゆる「きれいな英語」を読むことができます。たとえ内容を身近に感じられないとしても、少なくともネイティブが書いた本物の英文に触れることで、日本では学べない「英語の神髄」が学べます。



 
 
 

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